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みなさまは、特定技能をご存知でしょうか。
現在の日本において、2007年にはついに高齢化率が21%を超え、超高齢社会を迎えています。
労働者人口が減少傾向にある中、外国人労働者の必要性は日に日に高まってきているといえます。
この外国人労働者の概念の中になくてはならないものが、特定技能です。
ここでは、優秀な外国人労働者を確保するために、特定技能について分かりやすくご説明したいと思います。
特定技能とは
特定技能とは、平成30年12月8日,第197回国会(臨時会)において「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律」が成立し,同月14日に公布されました(平成30年法律第102号)。
この改正法は,在留資格「特定技能1号」「特定技能2号」の創設,出入国在留管理庁の設置等を内容とするものです。
これを受け、人手不足が深刻であると認められた14の分野において外国人労働者の就労が可能となりました。
この14分野は単純労働とみなされていましたので、今までは原則として外国人労働者の従事は禁止されていたのです。
しかし、この14分野においては日本の少子高齢化に伴う働き手の不足が深刻化している現状となっています。
日本政府介入も視野に入れた、生産性の向上や国内人材の確保のための取り組みを行うことを前提としても、現状を打破するための改善には至らないと結論づけられたため、外国人労働者の受け入れが解禁されることとなりました。
日本における外国人労働者について
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令和2年10月末現在の外国人雇用についての届出状況を厚生労働省が公表しています。
外国人雇用状況の届出制度は、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律に基づき、外国人労働者の雇用管理の改善や再就職支援などを目的とし、すべての事業主に、外国人労働者の雇入れ・離職時に、氏名、在留資格、在留期間などを確認し、厚生労働大臣(ハローワーク)へ届け出ることを義務付けています。
外国人労働者数は1,724,328 人で、前年比 65,524 人(4.0%)増加し、平成19年に届出が義務化されて以降、過去最高を更新しましたが、増加率は前年 13.6%から 9.6 ポイントの大幅な減少となっています。
外国人労働者を雇用する事業所数は 267,243 か所となっており、前年比24,635 か所(10.2%)増加し、平成19年に届出が義務化されて以降、過去最高を更新しましたが、増加率は前年 12.1%から 1.9 ポイントの減少しています。
国籍別では、ベトナムが中国を抜いて最も多くなり、443,998 人(外国人労働者数全体の25.7%)です。次いで、中国 419,431 人(同24.3%)、フィリピン184,750 人(同10.7%)の順となっています。
在留資格別では、「専門的・技術的分野の在留資格」の労働者数が 359,520 人で、前年比 30,486 人(9.3%)の増加となっています。
また、「技能実習」は 402,356 人で、前年比 18,378 人(4.8%)の増加となっています。
特定技能評価試験とは
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特定技能測定試験とは、日本で就労を希望する国内外の外国人を対象として、日本が定める基準をもとに作成した問題により「日本語能力」と「技能」の水準を評価する試験となっています。
試験をすることによって、一定水準以上の能力を有した外国人労働者とそうでない労働者とをふるいにかける役割を担っていると言えるでしょう。
なお、特定技能には次の2種類が分類されています。
特定技能1号
「受入れ分野で即戦力として活動するために必要な知識または経験を有すること」とされ、特定技能測定試験(1号)でそのレベルを確認します。
また、日本語能力は日常会話(「日本語能力試験」でN4レベル以上)が求められます。
最長5年の在留が認められますが、家族の帯同は認められません。
このように、日本語にも造詣が深く、働く現場へ赴くと、遅滞なく戦力として扱える外国人労働者であると言えます。
特定技能2号
「受入れ分野で熟練した技能を有すること」とされ、特定技能測定試験(2号)でそのレベルを確認します。
特定技能1号の外国人が日本に滞在中に受験し、合格することで移行可能です。
在留期間は更新でき、条件を満たせば永住申請も可能です。
また、要件を満たせば家族の帯同も可能です。
このように、受入れ分野で熟練した技能を持ち合わせていますので、本人が希望するのであればより長く日本へ滞在することもでき、自身だけでなく家族の帯同も許されることとなるのです。
貧困など、様々な理由により日本へと労働を求めて来日する外国人労働者は後を絶ちませんが、自身の有益性を日本から認めてもらうことによって家族全てが移住することも可能であるため、外国人労働者のモチベーションを高めることにも一役買っていると言えるでしょう。
なお、2021年3月24日現在、宿泊は1号のみとなっています。
日本語試験とは
在留資格「特定技能」を取得するためには、語学力を図る「日本語能力試験」と特定技能各分野の知識・スキルを図る「技能試験」に合格する必要があります。
「日本語能力」の水準は、独立行政法人国際交流基金が実施する「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」又は独立行政法人国際交流基金および日本国際教育支援協会が実施する「日本語能力試験(JLPT)」において判定されます。
特定技能1号を取得するためには、N4以上の能力を求められており、レベルの目安は
● 基本的な語彙や漢字を使って書かれた日常生活の中でも身近な話題の文章を、読んで理解することができる。
● 日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、内容がほぼ理解できる
上記2点の内容ととなっています。
これらの事実からも分かるとおり、外国人労働者が働く場所において必要最低限のコミュニケーションを取ることができて、簡単な読み書き程度であれば問題なく行えるレベルを求めているということです。
まとめ
ここまで、特定技能についてご説明させて頂きました。
特定技能を有した外国人労働者を雇用するメリットは、若い労働力・一定の日本語能力などがある・最長5年間のフルタイム労働が可能・採用人数の制限なし・従事できる活動内容の範囲が広い・日々の実習日誌の必要なしなどが挙げられます。
優秀な労働者を確保することが困難となっている昨今、是非とも特定技能を有した外国人労働者について検討されてみては如何でしょうか。