「特定技能」を持つ外国人労働者における介護業界での必要性

2021年08月12日

日本は、超高齢化社会へと突入しており、平均寿命が延びた上に、若い世代の割合が年々減少傾向にあります。

これに拍車をかけるようにして、介護の現場では万年人手不足に悩まされており、その打開策の方法として特定技能を持つ外国人労働者に依存しなければならない状況です。

それでは、どのような対策を講じれば良いのでしょうか。

特定技能の役割をひもといて、日本の現状に対する介護業界におけるその必要性について紹介していきましょう。


 

介護業界の現状と「特定技能」を持つ外国人労働者

介護業界においては、人手不足と離職率の多さによって原状回復にきざしが見える事はありませんでした。

その影響もあってか、高齢者が高齢者の介護を行わなければならないと言う窮状すら出て来る始末です。

老老介護は65歳以上の子供世代が、その親の世代を介護する事により、色々な問題が起こってきます。

その中でも大きく取り上げているのが認認介護の危険性です。

認知症である要介護者を、介護する対象もまた認知症である為に精神的にも肉体的にもリスクを抱えてしまい多くの不安と危険性に悩まされています。

このような状況と人手不足が負の連鎖を起こしてしまい、介護業界には新たな労働対象者を求める事を急務としているのです。

その具体策の中には、外国人労働者の需要が解決策の1つとなっており、この事は介護業界だけでなく、多くの分野で活躍が期待されています。

 

「特定技能」での1号と2号の違い

特定技能には、わかりやすく説明すると「在留資格」を意味しています。

「在留資格」には、ビザのような入国の為の基準とは相違する点があります。

それは外務省が発行するビザの場合と、在留資格の場合は、法務省の管轄において入国の理由から滞在条件による資格を与える事による違いです。

特定技能の資格の種類には、1号と2号があり、具体的な違いの中には、在留期間の長さであったり、更新の必要性であったり、そして家族の帯同が可能かどうかまで異なります。

最も判断の要素となるのは、本人が持つ技能水準におけるレベルの違いにあると言える事です。

対する受け入れ先においても待遇の差が示されており、特定技能1号には、受け入れ先の企業による支援がありますが、特定技能2号には、支援がないのが特徴です。

そして、外国人が介護業界で働く場合の在留資格にも種類が分かれており、「特定技能」だけでなく、「特定活動連携協定=EPA」や「技能実習」と「介護」の、合わせて4つの分類があります。

 

介護資格が取りにくい日本語の壁

特定技能「介護」は、日本政府が2019年に施工した新たな在留資格の位置づけになっており、日本の労働人口が万年人材不足に対する問題を解消すべき対策として打ち出している事です

介護福祉士は国家資格であり、日本人でも難しい介護資格に合格する事になっています。

例えば、特定技能1号の場合には、在留期間が5年と定められているので、5年を経過すると帰国しなければならないのですが、介護福祉士の国家資格の場合には、永続的に働く在留資格を得る事ができるので、かなり優遇された制度に見えるのですが、読み書きが当たり前のようにできる日本人でさえも国家試験に合格するには困難な課題です。

ましてや会話が可能であっても、日本語の読み書きは、漢字やひらがなとカタカナの3種類の理解力が求められる為に、日本人と比較してもかなりハードルが高い課題と言えます。

それでも、日本政府としては積極的な受け入れ体制を実施する事で開始から5年間における受け入れる人数を6万人までに増やす事を計画しているのです。

日本の受け入れる環境は、陸地続きの大陸と異なり移民の影響を受ける事がなかった為に、単一民族としての偏見を少なからず持っている事が予測されます。

また、潜在意識の中にも言葉の壁を意識しなければならないので、地方においては、方言による言葉の理解力や、習ってきた日本語の違いに驚く事になるでしょう。

そのような言葉の壁を乗り越えて、日本人の社会の一員として働く事になるわけですから、受け入れる側の心構えやある程度の寛容さを持つ事も必要であり、お互いがウイン・ウインの関係性を築けるように関係性を築く事が大事です。

 

介護特定技能1号を満たす要件

特殊な資格である介護の分野では、介護における技能評価を行う試験と日本語の試験に加えて特別に設けられた介護日本語評価試験も必要となるので、介護の分野での人材に対する基準は、高い能力が求められている事がわかります。

 

介護特定技能1号で従事可能な仕事

介護におけるサービスにおいては制限がある事が難点とも言えます。

介護の初級レベルの資格である初任者研修を受けた場合と同じような介護サービスが行えるのですが、訪問介護を実施する事はできません。

その上に雇用形態においては、派遣として雇うことはできず、直接雇用でしか従事できないのです。

 

介護業界での需要と外国人労働者の展望

受け入れる介護施設にも求められる要件が存在するので、受け入れる為の環境も大事ですが、外国人労働者による人手不足の対策として、人件費を削減する為の不当な行為になってはならない事を認識しておきましょう。

日本人との違いに対して、差別や区別があってはならないのです。

その事を踏まえて、事業所に従事する日本人の数よりも外国人労働者の数が上回る事を禁じています。

次に介護分野特定技能協議会に加入して、協力する体制を整う必要があります。

厚生労働省による調査指導が必要な場合には協力をする必要も認識しましょう。

日本における少子高齢化と人生100年寿命が物語るように、超高齢化社会においては、若手の労働者および働き盛りの労働者などを必要とし、特に介護業界における需要は拡大するばかりです。

形式にこだわるやり方では、今後も高齢化が進む社会に対して、対応が遅れる事が懸念されます。

人材不足の解消は「特定技能」だけではありませんが、柔軟な考えを持って今後の課題に向き合って行く必要が求められます。

日本政府は受け入れ体制として先手を打つとすれば、労働者を派遣してくれる国に対して日本語教育を積極的に支援する事で、日本への労働意識が高まる事につながります。

受け身の政策からこれからの展望を見据えて積極策が必要になってきます。

 

まとめ

「特定技能」を持つ外国人労働者について、その役割を掘り下げて紹介しました。

日本の労働者不足を解決する為の手段として、また高齢化社会に対する備えとして、外国人労働者に対する期待感は今後も途切れる事の無いように継続的に実施できる体制を構築して行く必要があります。

また、高齢者が持つ外国人に対するマイナス面の存在意識を払拭させる対策も実施して、外国人労働者と違和感のない社会つくりを目指していきましょう。