株式会社イトーヨーカ堂様 インタビュー

2021年07月15日

2020年から外国籍アルバイト人材を積極的に活用されている株式会社イトーヨーカ堂 ららぽーと横浜店の芹澤様にインタビューを実施致しました。

<採用に関して、これまでどのような点で人材の獲得に対して課題を感じていましたか?>

芹澤氏(以下敬称略):ららぽーと横浜店は駅から遠く、モールの中にあるため、他にも採用を行っている店舗が多いです。また周囲には学生も少ないなど、働き手の獲得という面でハードルが多い状況にありました。

<これまではどういう手段で人材の募集をされていましたか?>

芹澤氏:これまでアルバイトの募集の際は、有料求人媒体や職業安定所を使ってきました。一番応募が入るのは情報誌やネット媒体で、掲載をするとすぐ応募が入っています。コロナ禍の状況で、このように応募が入るようになりましたが、コロナ前はネット媒体を使っても難しかったです。コロナ禍になって応募が入ったのは、モールの店舗が閉まったことが背景となっています。昨年のこの時期はモールも閉まっていたため、働きたくても働けず、イトーヨーカ堂に応募が殺到していました。しかし、シフトの条件など融通が利かない面や、元の状況に戻ったら以前の職場に戻りたい希望等といった希望があり採用が難しい面もありました。

<現在の応募の入りは如何ですか?(2021年3月時)>

芹澤氏:去年と比べたら、募集をかけても入りにくい通常時の様子に戻りつつあります。飲食が時短で仕事がなくなったことなどが理由で、これまで飲食や航空業界の方から、応募が入るようになってきました。今回LABORO様でも4回目の募集を行いましたが、志望者の多くはそういった状況で応募していました。

<今後の採用の見通しはどう考えていますか?>

芹澤氏:徐々にコロナ前の環境に戻り、取りづらい状況になっていくと思っています。一つあるとすれば、近いエリアでマンション開発が行われており、その世帯への入居が始まったことがあり、応募獲得の面でプラスです。約450世帯が入居し、この後250世帯向けにも追加で売り出しがされる予定です。ららぽーと横浜の商圏は、遠くから来るお客さんが多く、近隣は工業地帯なので近くから来るお客さんは少ないですが、10キロ圏まで広がると全国でも有数の商圏の力があります。ただ裏を返せば、人が住んでいないエリアなので、働き手の確保には苦戦をしています。

<慢性的に人が足りない状況をどう乗り越えいきますか?>

芹澤氏:一番はパート、アルバイトが集まらないので、新しい打ち手としてLABORO様に協力をお願いしたという流れでした。

<LABOROを利用する前から、外国人採用は行っていましたか?>

芹澤氏:行っていますが、この店舗は外国籍のスタッフは非常に少なかったです。この地域での居住が少ないのかもしれません。例えば、私が他県の店を担当していた時は、外国人の方は、もっと多かったです。しかし、この店舗の周辺は外国籍の方少なく、外国籍のスタッフは1-2人しかいませんでした。LABORO様との取り組みを通じて、今は全部でベトナムの方が30名程度まで増加しています。その多くの方が、早朝に働いてくれています。

<弊社との取り組みを通じ、ベトナム人の方々を採用して、良かった点、悪かった点は?>

芹澤氏:ベトナムの方々はとにかく真面目です。一生懸命働いてくれる姿勢はベトナムのスタッフ達には特に感じています。個人差はありますが、難しい点は、文化が違うので時間、連絡についての考え方や、個人携帯をもっていない(グループで所有)などのギャップはあります。

良い点として真面目というのは、例えば早朝の品出しはほとんどベトナム人の方々で、開店前にビシっと品出しができるというのは大変助かっています。他には生鮮部門、鮮魚、精肉、青果の3つが特に技術が必要ですが、ここも任せることができています。ベトナムの方の活躍は凄く、真面目だし、もっと働きたいという意欲も日々感じています。

<外国籍スタッフの日本語能力は如何ですか?>

芹澤氏:青果にいる方達はお客さんから質問に答える機会も多くて、日本語は上達しています。遠くから見ていると、一生懸命にお客さんへ受け答えをしていて凄いと感じています。

<日本人スタッフのとの関係は如何ですか?>

芹澤氏:良好な関係が築けています。ベトナムの方の真面目というところはそこにも出ています。自分の考えと合わないからぶつかるということはなく、言われたことを守り、またわからないことも確認してくるスタンスは他の日本人スタッフにも評価されています。

<採用したベトナムスタッフはどれくらい定着していますか?>

芹澤氏:まだ勤務いただいてから一年なので、この後わかりませんが、学校の授業に合わせて、働く時間が少なくなってくるだろうと考えていますが、今のところ問題は全然ありません。2年間という大体の働ける期間は決まっているものの、その間は問題ないと思います。お店としては2年でいなくなってしまうのは残念ですが、仕方がない点です。勤続期間でいえば、日本の学生よりも長く定着している面はあります。日本の学生は自由な職場を求めている人も多いので、規則が多いと他の職場を選びがちだったりします。

<今後の採用の計画をどう考えていますか?>

芹澤氏:外国人の活用は日本語がそこまで求められない早朝で一番戦力になります。あとは生鮮に関しても、海外の方は苦手意識がないため、活躍して頂ける部分です。学校後に時間を作る等、融通が利く方が多く、やる気と元気があればやっていけると思っています。

<これから外国籍スタッフを活用される他社の企業へ一言あればお願いします。>

芹澤氏:海外の方だからという認識は持たないほうがいいです。様々なハードルはある一方で、真面目さや一生懸命やる意識、日本語を勉強しようという気持ちも伝わってくるので、貴重な戦力になる人材です。