特定技能対象業種5種類のメリットとデメリット
2021年08月12日現在、特定技能として指定されている業種は、介護、農業など様々な業種が14種です。
この記事ではその中から5業種に絞ってメリットとデメリットを紹介していきます。
●電気・電子業種
電気・電子業種については、主にプラスチックや金属製品の製造、加工の業務を行うことになります。
同じような業種に素形材業種や産業機械製造業種もあり、一部被っている技能もありますが、電気・電子業種は主に自動車関係の業務に従事することになるでしょう。
自動車の電動化が急速に進み、それに伴って電気・電子部品の製造力不足が問題となり、特定技能として指定された経緯があるからです。
電気・電子業種の分野では専門的な知識や技術が要求されるので、一通りの知識や技術を持つことが保証されている特定技能資格所持者は貴重な戦力となるでしょう。
デメリットとしては、特定技能「電気・電子」所持者が貴重なので、待遇面での良好さが求められる点でしょう。
要求される技能が多いので、その基準を満たす人が少ないです。
なので、特定技能「電気・電子」が取れる人は多くなく、所持者は貴重な存在です。
そのため、新たに特定技能資格所持者を雇うのは難しく、マンパワー不足を補うというよりは、優秀な技術者を雇うという感覚に近いです。
既に技能実習生だった人を特定技能資格所持者として切り替えることは可能なので、そういった活用法も見出してみましょう。
●農業業種
農業は派遣雇用も可能となっています。
特定技能の業種は大部分が派遣雇用が認められていないのですが、農業は可能だという所が独特で、それがメリットにもデメリットにもなります。
農業は、季節によって忙しさが変わることが多い業種です。
なので、繁忙期の忙しい時期にだけ特定技能資格所持者を雇うという、派遣雇用が可能になっています。
必要な時だけ雇用するという、派遣雇用特有のメリットがあるのは勿論ですが、注目したいのは、特殊な事情がある特定技能資格所持者にニーズがあるということでしょう。
頻繁に母国に帰省したい特定技能資格所持者や、働きながら別のスキルを磨きたい特定技能資格所持者にとっては派遣雇用の方が都合が良いこともあります。
そう言った特定技能資格所持者にとっては、特定技能として派遣で働ける農業分野は貴重です。
デメリットの面でも、派遣雇用の側面が色濃く現れます。
雇用の流動性が高い派遣雇用なので、転職が容易なのです。
加えて、殆どの海外は、日本より終身雇用制度の概念が根強くありません。
海外の人は転職をしてキャリアアップを図る思考が強いことが殆どです。
徳定義の者によるところはありますが、待遇面をしっかりしておかないと、より待遇が良い農家に移る可能性は低くないでしょう。
また、特定技能資格所持者は派遣雇用と直接雇用、両方を選べるので、雇用の流動性の高さの問題は、直接雇用をする場合にも影響があるデメリットですね。
●介護業種
介護の特定技能のメリットは、一つは、歴史が長いということです。
介護は、特定技能と指定される以前から外国人労働者を積極的に受け入れています。
そのため、参考になる事例が多く、相談に乗りやすい、また、的確な回答が返ってきやすいというメリットがあります。
介護のメリットは、なんといってもマンパワー不足を補えるということです。
介護業種は現在、慢性的なマンパワー不足に陥っていて、いまだ、解決法が見いだせない業界です。
特定技能として指定されたのも、マンパワー不足の解決が大きな理由の一つです。
特定技能「介護」の資格を取得した特定技能資格所持者であれば、介護の知識は十分に有るので、即戦力としての働きが期待できます。
デメリットは、雇用の競争率が高いところです。
介護業種は特定技能に指定されてもなお、マンパワー不足です。
つまり、売り手市場ということですね。
なので、それなりに好待遇を用意しないと人が集まらない可能性が高いです。
また、ホームヘルパー等、訪問系の介護が行えないという点にも注意したいですね。
●外食業種
外食業種は特定技能への指定から、新たに外国人の直接雇用が可能となった業種です。
メリットやデメリットについても「新しい」ことによるものが多いですね。
外食業種のメリットは、時世の流れの良さでしょう。
やはり、外食産業が今までよりも外国人労働者を受け入れやすくなったことにより、新たな需要が発生しました。
今後、コロナウイルスの流行が収まった場合、人手が爆発的に必要となる可能性は高いです。
そのような場合に、即戦力となりうる特定技能資格所持者を雇用することで、人手不足を解消することができるでしょう。
また、技能実習生では出来なかった、洗い場や清掃業務が可能になったというのもメリットですね。
デメリットとしては、介護と同じく「売り手」市場になる可能性があることです。
コロナウイルスの影響で有効求人倍率は低くなっていましたが、ワクチンが完成され、通常の状態に戻れば人手はまた必要となるでしょう。
外食産業のマンパワー需要が爆発的に増えることが予想されるので、特定技能資格所持者も多く必要とされるようになるでしょう。
また、外食業種の新設されたばかりのカテゴリーなので、不安定な可能性が高い点です。
更に、新設された後、コロナウイルスによる影響もあったので、その影響が出る可能性もあります。
制度が新しくなった場合に影響を受ける可能性は最も大きそうです。
また、需要が低くなったため、外食業種の特定技能取得者が少なくなるということも予想できます。
また、特定技能対象業種としては、コンビニの業務に最も近いのがこの外食業種ですが、コンビニ業は外食業種には入っておらず、特定技能の対象外なので、その辺りも注意したいですね。
●宿泊業種
外国人旅行者数が増加するのに伴い、宿泊業種の人材が不足したために特定技能に指定されました。
宿泊業種に特定技能資格所持者を雇うメリットとしては、やはりネイティブな外国語会話が堪能という点です。
多くの特定技能資格所持者は母国語、または第二言語が英語の場合が多く、外国人旅行者との受け答えが得意です。
また、マッチング次第で、英語以外でも自然な受け答えが可能なのも大きいです。
あまり一般的でない言語を使う外国人旅行者が多い場合でも、それに合った特定技能資格所持者を見つけることが、比較的容易となります。
デメリットとしては、コロナウイルスの存在です。
上述の外食業種と同じく、制度が新しくなった場合に影響を受けることと、需要が低くなったため、宿泊業種の特定技能取得者が少なくなるということへの懸念でしょう。
そうなると、新型コロナの流行が去った時に、やはり人材不足になるかもしれません。
まとめ
業種によって、微妙に立ち位置が違う特定技能資格所持者。
コロナウイルスの影響で見通しが立ちづらい雇用情勢の中で、なるべく正確に見極めて、適切な人材を確保したいですね。
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