留学生での対応はもう不要!特定技能による外食業での外国人就労
2021年08月12日
https://www.pakutaso.com/20180623165post-16493.html
飲食店で働く外国人を見かけるようになって、かなりの時間がたつようになりました。
そのため、飲食店で外国人が働いてもいいんだと思っている方も多いのではないかと感じます。
実は、飲食店で外国人が働くことができる外国人の在留資格「特定技能:外食業」が創設されたのはつい最近の話です。
それまではどのように飲食店で外国人が働いていたのか、特定技能の在留資格で働いたらどのような違いがあるのかを比較します。
外食業で就労可能な在留資格「外食業分野の特定技能」とは?
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2019年3月に外国人の入国を管轄する法務省と、外食業分野の外国人就労を管轄する農林水産省とが共同で公開した文書「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-外食業分野の基準について―」によると、飲食店での業務(飲食物調理,接客,店舗管理)において、外食業1号特定技能の在留資格を持つ外国人が就労してもよいとされています。
居酒屋やレストランなどの通常の飲食店での調理や接客、店舗の管理といった業務にあたることができる就労可能な在留資格と言えます。
特定技能の1号の在留資格を取得するためには、技能水準を測定する試験「外食業技能測定試験」に合格していることと、外国人向けの日本語能力試験でN4(基本的な日本語を理解している)という基準に達していなければなりません。
これらは日本に来る前の母国で受験する必要があります。
日本に来ている技能実習生で、福祉施設などで給食製造の業務などに携わっている人などは、この試験が免除となり、技能実習から特定技能に在留資格を切り替えることができます。
外食業での特定技能1号の在留資格では、定期的な更新を行い最長5年の日本滞在が可能です。
技能実習制度では外食業への適用がなかった?!
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就労可能な在留資格として有名なものに技能実習制度があります。
これは特定の分野で5年程度の日本滞在による就労が可能です。
しかし、技能を身に着けるための就労となるため、適用される業種は限られています。
技能実習制度では、飲食店での就労を目的とした業種の適用がありませんでした。
つまり、飲食店でよく見かける外国人の従業員は技能実習生ではないということになります。
技能実習制度に限らず、特定技能が創設された2019年まで、飲食業で働くための在留資格は存在しませんでした。
接客に関する技能実習の適用はホテルや旅館などの宿泊業では適用されていましたが外食業の適用は今日までありません。
しかし、多くの飲食店が外国人を働かせても不法就労には当たりません。
今まで飲食店はどのようにして外国人を雇用していたのでしょうか?
飲食店で働く外国人はみんな「留学生」だった?!
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飲食店で働く外国人は、実はみんな留学生でした。
留学には大学や高校などもそうですが、日本語を学ぶための日本語学校も含まれます。
日本に来る際に学業を目的とした「留学」の在留資格を取得します。
留学の在留資格には、学業に支障がない程度に学校に在籍しながらアルバイトとして働く「資格外活動」という就労が認められています。
この資格外活動では、一週間で28時間を超えない範囲での就労が認められており、1日あたり4時間働くことが上限となります。
今まで飲食店などの、多くの外国人従業員を見かけた業種では、多くの留学生がこの資格外活動で働いていたということになります。
もちろん外国人を雇用する飲食店の店主は、資格外活動の就労時間を超えないように雇用管理をしていたので、不法就労にはなりません。
店によっては、留学生の外国人を積極的に雇用して、複数人でシフトを組み、週28時間を超えないように調整を行っていたというところもあります。
この資格外活動による就労管理は、日本人の従業員を雇用する場合にはない外国人雇用時の特有の管理となります。
日本に来ている留学生は多くいますので、週28時間を超えない範囲で働けば、飲食店で外国人が働いてよかったんだと勘違いしてしまうほどに、多くの外国人留学生が働いていたということになります。
特定技能では、外食業の業務に専念できる
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今まで飲食店での外国人の就労は、アルバイトでの就労となり、1日の就労時間が限られていました。
しかし、外食業への特定技能の創設により、外国人の労働者が外食業で専門的に働くことができるようになりました。
特定技能は、日本の労働基準法による1日の所定労働時間が就労可能となります。
多くは1日8時間までということになりますので、週28時間が上限だった留学生の就労と比較すると、1日に働ける時間が2倍になる計算です。
留学生でシフトを組んでいた時よりも、シフトも組みやすくなります。
また、契約によっては残業も可能となることで、人が欠員となった場合など様々なケースに、特定技能の外国人が対応可能となります。
外食業の業務に専念できるからと言って、長時間労働など違法な雇い方ができるというわけではありません。
技能実習の在留資格を持った外国人労働者にも多くの誤解がありましたが、特定技能の在留資格を持った外国人も安く使える労働力ではありません。
特定技能の外国人労働者も労働基準法に基づく労働契約を結ぶ必要があるため、日本人と同じ労働者として扱われます。
外食業の外国人雇用は資格外活動に頼った雇用形態を改善
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外食業で働く外国人は、今までは留学生の資格外活動に頼るところでした。
週の労働時間に大きな制限があり、学校を卒業すると就労ができなくなることから、人の入れ替わりが激しい状態が続き、雇用形態を安定させることが難しい状況でした。
しかし、特定技能の外食業への適用が開始され、外食業の現場で、専業で働く外国人労働者が増えてきました。
専業で働くと、留学生による入れ替わりの仕事よりも、一人が担当する業務も多くなり、仕事の質を高めることができるようになります。
また、日本人と同じように雇用することができるため、資格外活動の週の労働時間を考えながらシフトを組むような必要もなくなります。
特定技能による外食業で働く外国人が増えていけば、留学生による就労が減っていき、外食業での外国人雇用もより安定したものになっていくと考えられます。
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