特定技能とは?試験や従事可能な業務・必要書類について解説
2021年08月12日
在留資格「特定技能」は、人材確保が困難である業界において、一定の専門性や技能を保有している外国人を受け入れる制度のことです。
外国人が日本で活動をする際に必要になってくるのが在留資格であり、特定技能は在留資格の一つです。
外食産業における人材不足は深刻であり、多くの飲食店では人材確保に注視しています。
そこで、特定技能を設けることで外国人の働ける環境ができ、飲食店側も人手不足の問題を解決できるようになります。
それでは一体、どのようなことをしたら特定技能を取得できるのか見ていきましょう。
試験の内容
特定技能(外食業)を取得するには、2つの方法があります。
①「医療・福祉施設給食製造」の第2号技能実習を修了した者
②「外食業技能測定試験」と「日本語能力試験(JPLT)N4以上(国内・国外)」または「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)(国外)」に合格した外国人
①については未だに修了者がいないので、②について説明していきます。
外食業技能測定試験
この試験の実施機関は「一般社団法人外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)」です。
試験は全国各地で行われています。
【試験内容】
試験問題は、一般社団法人外国人食品産業技能評価機構のホームページに記載されている問題から出題されます。
技能試験は以下の3つの分野で構成されています。
①衛生管理
基本的な衛生管理(食中毒に関する知識)、一般的衛生管理(調理器具の消毒や従業員の絵健康管理)、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理
②飲食物調理
原材料、下処理、各調理方法、調理器具、労働安全衛生に関する知識
③接客全般
接客(基本動作やマナー)、食(アレルギーや栄養)、店舗管理(清掃作業やお金の知識)、クレーム対応、緊急時(体調不良者の発生や災害時の対応)に関する知識
外食業技能測定試験では、問題数は同じですが配点が異なる3タイプがあります。
Aタイプ:一般的な配点
Bタイプ:「飲食物調理」の配点が高く、「接客全般」の配点が低い
Cタイプ:「接客全般」の配点が高く、「飲食物調理」の配点が低い
受講料はどれも同じで、自身でタイプを選択することができます。
【受講料】
一人7,000円かかります。振込用紙は手続き後に申請した住所に郵送されます。
【受験資格】
在留資格を持っていて、満17歳以上でないと受講できません。また、短期滞在ビザを取得している人も受験することができます。在留資格のない不法滞在者は受験できないので注意してください。
【合格点】
満点の65%以上が合格点になっています。
「日本語能力試験(JPLT)N4以上(国内・国外)」または「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)(国外)」
日本語能力試験は、日本語の理解度をN1~N5の5段階で測ることができる試験です。
N4以上とは、日常生活においてある程度日本語を理解し、支障なく生活することができるレベルです。
国際交流基金日本語基礎テストも上記の試験と同様に、日本語の能力を測る目的で開催されます。
こちらの試験はA1,A2,B1,B2,C1,C2の6段階に分けられており、より細かくレベルを測ることができます。
特定技能を持っている外国人の能力
特定技能を取得している外国人は、2つの能力を持ち合わせている必要があります。
- 日常生活や仕事で理解することができる日本語能力
- 各分野における一定の技能を用いて、即戦力として働くことができる知識や経験
これらを取得するには、上記で紹介した試験に合格する必要があります。
外食業の特定技能の外国人ができる業務とは?
外食業での特定技能外国人が行える業務は全般です。
具体的には、飲食店での調理や接客、喫茶店での従事が可能になるという事です。
勤務時間も日本人と同様です。
つまり、特定技能外国人は日本人の従業員と同様の業務を行うことができます。
特定技能で雇用されるときの雇用形態とは?
雇用形態は、正社員で受け入れ企業の直接雇用となります。
また、在留資格申請に係る費用や登録支援機関に支援を委託する場合には支援委託料として30-50万円程発生します。
また、送出機関を通して海外から呼び寄せる場合の手数料が発生することがあります。
必要な提出書類
1、在留資格変更許可申請書1通
2、写真(縦4cm×横3cm)
※「申請3か月以内に正面から撮影された無背景なもの
※写真の裏側に名前を記載
3、申請人のパスポートまたは在留カード
4、その他必要書類(特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧・確認表を確認)
5、申請人名簿
※申請取次人を介して複数の申請人について同時申請する場合のみ
6、身分を証する文書(申請取次者証明書、戸籍謄本等)
特定技能の外国人を受け入れる際の注意点
企業が外国人を特定技能の在留資格で受け入れるには、以下のようなステップが必要となってきます。
①産業分野と業務内容は特定技能の条件に合っているか
特定技能の在留資格は、どの仕事もできるわけではないので、雇用を検討している職種の仕事内容がマッチしているかチェックする必要があります。
②採用人材を海外と国内のどちらにするか
特定技能の在留資格では、海外から新たに人材を受け入れるか、日本に在住している外国人を採用するか選べます。
③必要試験に合格しているか
技能評価試験と日本語評価試験に合格している必要があります。
④受け入れ企業の雇用条件を満たしているか
受け入れ企業にはいくつか満たしていなければならない条件があります。
・給与水準は同立場の日本人と同じまたはそれ以上
・各種保険、福利厚生を平等に適用
・有給取得を希望した際に利用できる
・特定技能ビザが認められる労働時間はフルタイムのみ
⑤特定技能1号への支援計画の内容とタイミングの確認
支援計画とは、外国人が問題なく生活できるように、知識面でサポートをすることです。労働条件の説明、必要手続きのサポート、住居確保のサポート、出入国時の空港送迎などが含まれています。
まとめ
今回、外食産業における特定技能に紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
特定技能はかなり複雑な資格なので、理解するのに時間を要します。
この記事を読んで、特定技能を取得するために必要な試験・能力を理解することができたと思います。
特定技能で外国人人材をうまく確保し、人手不足の業界を変えていきましょう。
こちらもオススメ